「ママは人を選ぶ」

今からン年前。
OLをしていた私は、同じ会社だが違う部署の先輩「あおいさん」と、よくミナミに呑みに行ってた。

ある日、私はあおいさんと、前から約束していたその店に行くことになった。
ミナミの街の片隅にあった、「Bar TONNY」。
中年のTONNYママが一人でやっている小さな店で、先輩のあおいさんは、何度か通っているようだった。

オトナの象徴のような、その薄暗いバー。
私は少し緊張しながら、小さなスツールに腰掛け、注文したビールを片手に、勤務明けの煙草を一服……。
(当時はヘビーだった。今はやめてしまったけど)
プフーッ。うまいなぁ〜。

せわしなく狭いカウンターの中を動き回る中年小太りのTONNYママ。
「あんた!!(鬼)」
へ?ワシ?
「あんた、煙草止めなさい!」
「え〜、なんでよ〜、別にいいやん!」と、私。二十歳も超えてるしさあ。
「ダメよ!!あんたは煙草は似合わないのっ、しかも何?!その下品な吸い方!もっと煙草の似合う小粋な女になってからにしなさい!!あおいちゃんみたいにさぁ〜〜(目尻下げる)」
「ママ、差別やわぁ?!」

「いいのよ、ここは私の店なの!!あんたみたいな小娘は嫌いなの!!

それから何回かTONNYには足を運んだが、いつ行ってもママには同じことを言われた。
「煙草止めなさいったら!!似合わない!!あおいちゃんは、素敵ね〜〜」

ママ。
女好きなオカマっていうのはありなのか?




モドル モクジ